公布等年月日_【平成12年03月24日】, 法令分類_通知(質疑以外), 発令種別・番号_【消防予第67号】, 法令名_【消防設備士免状の返納命令に関する運用について】

消防予第67号

平成12年3月24日

 

各都道府県消防主管部長 殿

 

消防庁予防課長

 

消防設備士免状の返納命令に関する運用について

 

地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第87号)等の施行に伴い、執務上の参考とするため、消防設備士免状(以下「免状」という。)の返納命令に係る運用基準等を下記のとおり定めたので、当該事務については、本基準等を活用し、遺憾のないよう処理されるようお願いする。

なお、「消防設備士免状の返納命令に関する運用基準の策定について」(平成4年7月1日付け消防予第136号消防庁予防課長通知)は廃止する。

 

 

(運用上の留意事項)

第1 総括的事項

1 消防設備士免状の返納命令に関する運用基準(以下「運用基準」という。)を公平かつ的確に運用するためには、消防法令違反行為の把握が有効かつ統一的に行われる必要があることから、消防長(消防本部及び消防署未設置市町村にあっては、市町村長。以下同じ。)は、消防用設備等の設置届・検査、予防査察、消防用設備等の点検報告、その他あらゆる機会を活用して違反行為の統一的把握に努めること。

2 運用基準に係る違反処理手続きを円滑に実施するためには、違反者の保有する全ての種類の免状が漏れなく把握されることが不可欠であるところから、消防長においては、違反処理に際して違反者に対し全ての免状の提示を求めること等により、違反者の保有する免状の把握に遺漏のないよう努めること。

3 運用基準においては、各都道府県知事間の通知、照会、報告等の手続きを経て、違反点数を累積することとしており、個々の通知等について的確に処理するとともに、関係都道府県間において十分連絡を取り合い、事務処理に遺漏のないよう配意すること。

第2 措置の主体

消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第17条の7第2項において準用する法第13条の2第5項の規定に基づき免状の返納を命ずる者は、当該免状を交付した都道府県知事(以下「免状交付知事」という。)であること(法第17条の7第2項において準用する法第13条の2第5項)。

例えば、A県知事から甲種第1類の免状、B県知事から乙種第2類の免状の交付を受けている消防設備士に消防法令違反があった場合、A県知事は甲種第1類の免状、B県知事は乙種第2類の免状についてのみ免状の返納を命ずることができ、当該違反者に免状を交付していない場合、違反地を管轄する都道府県知事(以下「違反地知事」という。)は免状の返納を命ずることができないこと。

第3 違反処理手続

1 消防長が消防設備士の違反行為を把握した場合、消防長から違反者に対して違反事項通知書を送達するものとしているが、この通知書は違反行為を違反者本人に確認させるとともに、違反に対する警告的な機能を有するものであり、消防機関等においては、この機会を活用して十分な指導を行い、消防設備士に係る消防法令違反の抑止に努めること。

2 消防設備士違反処理報告書に添付することとしている「違反時の状況を具体的かつ明確に記載した書類」とは、消防用設備等の検査、予防査察等に伴う違反処理の必要上作成される書類等に指すものであるが、おおむね次に掲げるもののうちから、違反事案の内容、態様等に照らし必要に応じて作成し、添付すること。

ア 違反調査報告書(図面、現場写真等を含む。)

イ 違反者の供述調書、質問調書

ウ 実況見分調書

エ 関係者等の質問調書

オ その他参考資料

3 違反地知事は、免状の写しを添えて、違反事実を免状交付知事に通知しなければならないこと(法第17条の7第2項において準用する法第13条の2第6項、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。以下「規則」という。)第33条の5の3)。

また、当該通知を受けた免状交付知事は、運用基準第3に定めるところにより、違反点数及び措置点数を算定すること。

第4 免状返納命令

1 免状交付知事は、免状の返納を命じようとするときは、あらかじめ、他の免状交付知事に通知するものとすること(規則第33条の5の2)。

2 聴聞は、免状返納命令を行おうとする免状交付知事が実施するものとすること。

第5 その他

1 免状返納を命じられた消防設備士は、返納命令により直ちに当該返納命令に係る資格を喪失するものであるが、免状の不正使用等を防止するため、当該返納命令の対象となる免状については、確実に返納させること。

なお、複数の免状を有している消防設備士に対して免状の返納を命じた場合、当該免状返納命令に係る免状の記載部分に穴をあける等の処置をとること。この場合、当該消防設備士に係る免状交付知事間の合意があれば、各免状交付知事が当該消防設備士に免状の返納を命じた上、特定の都道府県知事が免状の返納を受けることとしても差し支えないこと。

2 複数の免状を有している消防設備士について、保有する免状の一部についてのみ返納が命じられた場合、消防法施行令(昭和36年政令第37号)第36条の4に定める事項に変更が生じることとなるので、当該消防設備士は免状の書換えを受ける必要があること。

第6 経過措置

本通知の発出に伴い廃止することとした「消防設備士免状の返納命令に関する運用基準の策定について」(平成4年7月1日付け消防予第136号消防庁予防課長通知)においては、複数の都道府県知事から免状の交付を受けている者に係る消防設備士違反処理台帳は、最新の免状を交付した都道府県知事(以下「最新免状交付知事」という。)が整備・保管等を行うこととしていたが、平成12年4月1日以降は、全ての免状交付知事が消防設備士違反処理台帳の整備・保管等を行うことが必要である。

平成12年4月1日において現に存する消防設備士違反処理台帳の扱いは、運用基準第5・1(1)により違反行為の報告を受けた違反地知事が最新免状交付知事である場合には、第5・1(2)による他の免状交付知事への通知の際に消防設備士違反処理台帳の写しを添付することとし、違反地知事が最新免状交付知事ではない場合には、第5・1(2)により通知を受けた最新免状交付知事が、他の免状交付知事に対し、消防設備士違反処理台帳の写しを速やかに送付することとすること。

(消防設備士免状の返納命令に関する運用基準)

第1 趣旨

この運用基準は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第17条の7第2項において準用する法第13条の2第5項の規定に基づく消防設備士免状の返納命令(以下「免状返納命令」という。)の運用に関し必要な事項を定めるものとする。

第2 措置の主体

免状返納命令は、免状を交付した都道府県知事(以下「免状交付知事」という。)が自ら交付した免状について行う(法第17条の7第2項において準用する法第13条の2第5項)。

第3 違反点数の算定

消防設備士が違反行為(消防法令に違反する行為で、別表第1の違反行為の種別の欄に掲げるものをいう。以下同じ。)をしたときは、次に掲げるところにより当該違反行為に係る違反点数を算出する。

1 違反点数は、別表第1において定める基礎点数に、別表第2において定める事故加点を加えることにより算出する。

2 2以上の種類又は指定区分の免状を有する者が一の違反行為を行った場合は、当該違反行為に係る違反点数を上記1に基づき算出したうえで、当該違反点数を、すべての免状の種類等ごとに計上する。ただし、消防設備士講習受講義務違反については、当該違反行為に係る違反点数を、当該違反行為に係る免状の種類等に限り計上する。

3 同一人につき、同時に違反行為が2以上あるときの基礎点数は、各違反行為に係る基礎点数を合計したものとする。

4 事故加点は、違反行為と相当な因果関係を有する損害について、その程度に応じた災害事故加点及び人身事故加点のうち、該当する項目の点数を合計したものとする。

5 2以上の消防設備士による共同違反行為については、当該共同違反行為を行ったすべての消防設備士について当該違反行為に係る違反点数を計上する。

なお、他の消防設備士を教唆して違反行為を行わせた者についても、共同違反行為を行った者として取り扱うものとする。

6 違反行為の内容が次の各号の一に該当する場合には、違反点数を計上しないものとする。

(1) 行為につき、正当防衛、緊急避難その他の違法性阻却事由がある場合

(2) 行為につき無過失である場合

(3) 違反行為が継続する性質のものであって、既に措置等を行ったにもかかわらず、なお違反状態が継続している場合で、違反者が違反を是正するために要する相当期間が経過していない場合

(4) 違反者が違反を行ったことにつき、真にやむをえないと認める事情があるため、措置等を行うことが著しく不当と認められる場合

第4 措置点数の算定等

免状交付知事は、当該違反行為及び当該違反行為のなされた日(継続する性質の違反行為にあっては、当該違反行為を覚知した日)を起算日とする過去3年以内におけるその他の違反行為に係る違反点数を合計した点数(以下「措置点数」という。)を免状の種類等ごとに算出し、措置点数が20点に達した免状の種類等がある場合において、当該免状の種類等に係る免状返納命令を行うものとする。

第5 違反処理手続

1 違反事案の報告等

(1) 消防長(消防本部及び消防署未設置市町村にあっては、市町村長。以下同じ。)は、措置の対象となる違反事案が発生したときは、消防設備士違反処理報告書(別記様式第1)を作成し、当該違反者が交付を受けている免状の写し及び違反時の状況を具体的かつ明確に記載した書類を添付して違反地を管轄する都道府県知事(以下「違反地知事」という。)に報告するとともに、当該違反者に対して違反事項通知書(別記様式第2)を送達するものとする。

(2) (1)の報告を受けた違反地知事は、違反点数(当該違反地知事が免状交付知事である場合には、違反点数及び措置点数)を算定するとともに、当該違反者が他の都道府県知事から免状の交付を受けている場合には、消防設備士違反事項通知書(別記様式第3)により当該免状交付知事に通知する(法第17条の7第2項において準用する法第13条の2第6項)。

なお、この通知に当たっては、当該違反行為に係る消防設備士違反処理報告書(別記様式第1)及び当該違反者が交付を受けている免状の写しを添付するものとする(消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。以下「規則」という。)第33条の5の3)。

(3) (2)の通知を受けた免状交付知事は、当該違反行為に係る違反点数及び措置点数を算定する。

2 違反処理台帳の整備

免状交付知事は、自ら免状を交付した消防設備士について、前記1の報告又は通知に基づき、消防設備士違反処理台帳(別紙様式第4)を整備する。

第6 免状返納命令

1 措置の実施

(1) 免状交付知事は、前記第5・2により整備された消防設備士違反処理台帳を確認のうえ、措置点数が20点以上となるときは、後記2及び3の手続に従って措置するものとする。

(2) 違反者に対し複数の都道府県知事が免状を交付している場合、各免状交付知事が各々免状返納命令を行うこととなるが、免状返納命令を行うに際しては、関係都道府県間で十分調整するものとする。

2 聴聞

(1) 免状交付知事は、免状返納命令を行おうとするときは、聴聞を行わなければならない。

(2) 聴聞に関する手続は、行政手続法(平成5年法律第88号)及び都道府県における聴聞規則等の手続によるものとする。

3 免状返納命令手続

(1) 免状交付知事は、聴聞の結果免状返納命令の決定をしたときは、速やかに当該違反者に免状返納命令通知書(別記様式第5)により処分内容その他必要事項を通知する。

なお、複数の都道府県知事から免状の交付を受けている消防設備士に免状返納を命じようとするときは、あらかじめ、消防設備士免状返納命令事前通知書(別記様式第6)に、過去3年以内の違反に係る別記様式第1及び別記様式第4の写し並びに当該消防設備士が交付を受けている免状の写しを添付して他の免状交付知事に通知するものとする(規則第33条の5の2)。

(2) 免状返納命令は、当該違反者に対して免状返納命令書(別記様式第7)を交付することにより行う。免状返納命令書の交付については、前記2(2)の規定を準用する。

(3) 免状交付知事は、免状返納命令書の交付に際し、当該違反者の人定確認並びに違反事実及び処分内容の説明(更に、行政手続法第27条第2項ただし書の適用を受ける者に対しては教示)を行い、免状を返納させるものとする。

(4) 免状返納命令を発した免状交付知事は、消防庁長官及び他の全ての都道府県知事に対し、別記様式第8及び別記様式第9により、その旨を通報するものとする。

(5) 免状返納命令を発した都道府県知事又は(4)の通知を受けた都道府県知事は、当該免状返納命令が当該都道府県内の消防長からの違反処理報告に基づく事案であるときは、当該消防長に対して、別記様式第10により通知するものとする。

(6) 都道府県知事は返納命令簿を備えるものとし、返納命令簿は(4)の通知を編綴して作成する。

(別表第1)基礎点数

違 反 行 為 の 種 別

点数

17条の3の3

(規則31条の4)

資格外の点検実施又は無資格者を利用しての点検の実施

17条の5

保有する消防設備士免状対応業務以外の業務実施(資格外の工事若しくは整備の実施又は無資格者を利用しての工事若しくは整備の実施(当該無資格者の作業に対する指導、監督が有効に行われている場合を除く。))

17条の10

消防設備士講習受講義務違反

17条の12

誠実業務実施義務違反

技術基準違反の工事、整備の実施

消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれている場合

a以外の場合

点検基準違反の点検実施

消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれている場合

a以外の場合

事実と異なる点検結果の記載

消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれているにもかかわらず、そうでない旨の記載をした場合

a以外の場合

17条の13

消防設備士免状の携帯義務違反

17条の14

消防用設備等の設置工事着手届出義務違反(事実と異なる届出を含む。)

21条の2④

個別検定に合格した旨の表示(検定表示)のない検定対象機械器具等の工事への使用禁止違反

21条の16の2

自主表示対象機械器具等に係る技術上の規格に適合する旨の表示(自主表示)のない自主表示対象機械器具等の工事への使用禁止違反

〔注〕1 消防設備士講習受講義務違反については、消防法施行規則第33条の17第1項に定める講習の受講期限又は同条第2項に定める講習の受講期限までに受講しない場合に、それぞれ当該期限が経過したとき違反行為があったものとする。また、その後1年以内に受講する機会があるにもかかわらず受講しなかった場合は、1年を経過したとき再度違反行為があったものとし、それ以降においてなお受講しない場合も同様とする。

2 誠実業務実施義務違反中の「消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれている」とは、当該消防用設備等が設置されていないのと同視され得る程度に機能、効用が損なわれている状況をいう。

(別表第2)事故加点

事故の程度

点数

事故の程度が小

事故の程度が中

事故の程度が大

 

人 身 事 故 の 程 度

点数

軽傷(入院加療を必要としないもの)

中傷等(重傷又は軽傷以外のもの)

重傷(3週間以上の入院加療を必要とするもの以上のもの)

10

死亡(48時間以内に死亡した場合を含む。)

20

〔注〕① 事故発生に係る付加点数は、消防設備士が行った違反行為と事故が相当な因果関係を有する場合に当該事故の程度に応じ点数を加点するものとする。

② 人身事故の程度は、初診時における医師の診断に基づき分類する。

③ 死傷者が2人以上の場合は、そのうち最も重い者により分類する。

 

(様式第1)

 

(様式第2)

 

(様式第3)

 

(様式第4)

 

(様式第5)

 

(様式第6)

 

(様式第7)

 

(様式第8)

 

(様式第9)

 

(様式第10)