II(各論)§4 救急活動

 3 感染防止 

(1)感染症に対する留意事項
留意事項 事故事例等

感染症法(※)に定める感染症に罹患し、都道府県知事が入院を勧告又は命令された者で、都道府県知事が移送を行う疾患であることが明らかな場合には、搬送を行う必要はない。

※感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年10月2日法律第104号)

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(2)人工呼吸実施時の感染防止
留意事項 事故事例等

人工呼吸を行うときは、感染防止のため人工呼吸器やポケットマスク等の器具を使用する。

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(3)標準感染防止策(スタンダードプレコ-ション)
留意事項 事故事例等

1 感染防止衣、手袋、マスクなどによるスタンダードプレコ-ションは、原則として全ての救急活動において実行するものとする。

2 吐しゃ物や血液等が目に入らないように、必要に応じてゴーグルを着用する。

▷ 傷病者が吐血したため処置を行いながら搬送し、病院収容後の帰署途上で、ゴーグルに血液が付着していることに気がついた。

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(4)新型インフルエンザ(H5N1)に対する感染防止
留意事項 事故事例等

1 強毒性新型インフルエンザの感染の疑いがある場合、傷病者へ基本的にサージカルマスクを装着させるとともに、隊員は原則として、感染防止衣、ゴーグル、マスク(N95マスク)及び手袋を着用する。

2 活動後、感染防止衣等を脱衣する際は、手指消毒を行い、服の表面に触れないように脱衣し、密封して廃棄する。

3 搬送中は、換気扇の使用や窓を開放するなど、換気を十分に行う。

※その他詳細行動等にあっては、「消防機関における新型インフルエンザ対策検討会報告書」(平成22年2月救急企画室)を参照

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(5)救急活動終了後の感染防止
留意事項 事故事例等

1 血液や体液等の付着したディスポーザブル手袋、使い捨ての救急資器材はビニール袋等に入れて医療廃棄物として処分する。

2 血液や体液等の付着したディスポーザブル以外の救急資器材等の使用後は、速やかに流水で十分洗浄し、その後消毒する。

3 皮膚等についた血液については、石けんを用いて流水でよく洗い消毒する。

4 血液の付着した衣服等は速やかに交換する。

  1. (1)通常、血液や体液等が付着した衣服は普通の洗濯でよい。
  2. (2)B型・C型肝炎抗原陽性血液保持者の血液が付着した場合は、水洗いしてから、塩素系消毒剤に約1時間浸してから洗濯に出す。

5 感染症に罹患した者で、都道府県知事が移送を行うべき疾患患者またはその疑いのある傷病者に接触したときは、感染防止または拡大防止のため、医師等の助言を得て直ちに消毒等の必要な処置を行う。

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