II(各論)§3 事故等に伴う救助活動  9 転墜落事故

9 転墜落事故

 1 共通事項 

留意事項 事故事例等

1 指揮者は、関係者から事情を聴取して転墜落事故現場の状況等を把握し、活動の安全を確保するため、速やかに隊員に対して具体的な注意や指示を行う。

2 転墜落現場で活動するときは、隊員を転墜落事故から守るため必要に応じて命綱等で確保する。

3 事故現場周辺に進入するときは、機械類・工作物との衝突、積荷の荷崩れ、床の滑り、電気施設、危険物施設等の接触など危険が予測されるので、関係者の誘導を受ける。

▶ 工事現場へ降下する際、資機材の準備で遅れた隊員が、追いつこうと急いだため、階段角部のパイプ手すりに肩のロープを引っかけて転倒し負傷した。

4 高所による活動は、活動スペースが限定され、しかも不安定な場所での活動が多いので、命綱等で身体を確保するとともに、使用資機材の落下防止にも配慮する。

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 2 救出活動 

(1)転墜落現場への進入
留意事項 事故事例等

1 建物の階段設備やタラップ等を活用するときは、強度等を確認して破損等により転落しないよう注意する。

2 上方からの工事資機材の落下危険や周囲からの倒壊危険がないかを確認して進入する。

3 要救助者を救出するときは、抜け落ちや足場の崩壊等に注意する。

4 現場付近に電線があり、活動中に接触するおそれがある場合は、必要に応じて感電対策を行う。

5 雨天時等は、鉄材あるいは鉄板上は、滑るので足元に注意する。

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(2)転墜落現場での救出
留意事項 事故事例等

1 横穴や頭上が低い場所では、頭部を強打しないよう注意するとともに、中腰で活動することが多いので腰部等のひねりに注意する。

2 はしご車等の起ていや伸ていの際は、電線との接触に注意する。

▶ 屈折はしご車のはしごを起てい中、電線と接触したため感電し重傷を負った。

3 リフター内や高所では、転墜落防止のため命綱等で身体を確保する。

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